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最高裁判所第一小法廷 昭和50年(オ)382号 判決

主文

理由

上告人の上告理由一について

原審は、本件売買契約は農地法五条所定の許可があることを停止条件として締結されたものであることを当事者間に争いのない事実として確定したものであり、本件記録によれば、これを認めるに足りるから、原判決に所論の違法はない。論旨は採用することができない。

同二ないし五について

原判決は、本件売買契約は農地法五条所定の許可のあることを停止条件として成立したものであるが、右条件が不成就に確定したとはいえないと認定したものであり、右認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして是認することができる。また、原審が適法に確定した事実関係のもとにおいては、本件につきいわゆる事情変更の原則を適用すべきであるとはいえない。所論は、原審の専権に属する事実の認定を非難するか、原審の認定にそわない事実を前提として原判決の違法をいうものにすぎない。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。

(裁判長裁判官 岸上康夫 裁判官 藤林益三 裁判官 下田武三 裁判官 岸 盛一 裁判官 団藤重光)

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